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昨年、郷里の北海道名寄市でこけしの実演をすることができました。市をあげて大歓迎をしてもらって、本当に幸せでした。こけしを続けてきて良かったなあと、しみじみ思いましたね。
こけしマニアの叔父が収集のために温湯を尋ねたのが縁で、佐藤善二師匠のもとに弟子入りしたのが中学二年生の時です。実は三回逃げたんです。でもその度に親から、せっかく始めたのだから、もう少し技術を磨けと諭されて・・・・・。
師匠は「こけしはいつでもできる」と言って、お椀とか杓子などの木地物もしっかり仕込んでくれました。
顔は、どんなことがあっても毎日描きます。
一日に一本でも描かないと、腕がおちるんですよ、本当に。
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津軽こけし工人会編 「やさしさの匠」より(平成6年刊行) |
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