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地元の東英中学校三年の時、善治師匠(佐藤善治氏)が指導していた「こけしクラブ」に入ったんです。卒業と同時に弟子になりました。15人いたクラブ員のうち、こけしの道へ進んだのは私一人。早く父親を亡くした私にとって、師匠は父親的な存在でもありました。16、7の少年の悩みを受けとめてくれて、持つべき心持も教わりましたね。よく言われたのは、「普段の生活がちゃんとしないと、いいこけしはできないよ」それは今もなお肝に銘じています。
こけしに込められた人間性や温かさを、感じてもらえればいいなあと思います。私にとってこけしは分身のようなもので、発送するとき、つい「がんばれよ」と言ってしまいます。
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津軽こけし工人会編 「やさしさの匠」より |
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