『祝言の晩(バゲ)』 その2

 祝宴の席に描かれた人達の津軽弁で語(か)だる人間模様は、誰もが一度はこのような光景に出くわしたなぁ〜・・・・・と思わせる巧みな描写で頬が緩みます。 さらに、祝宴の余興のために登場する人物には、
津軽三味線奏者に高橋竹山、津軽民謡の神様とも呼ばれた成田雲竹の歌を受け継ぐ最後の直弟子といわれ、民謡日本一ともなった唄い手の須藤雲栄(黒石市出身)という、津軽民謡ファンには垂涎のお二人も登場している。 今ではカラオケマイクにレーザーディスク時代ですが、民謡に手踊り、鳴り物は三味線、尺八、笛、鼓が宴の神器だった古き昭和の時代を偲ばせる宴の絵です。

 『祝言の晩(バゲ)』という津軽弁まじりのタイトルでも察することができるように、津軽の文化でもあり人々の暮らしと共に息づいている津軽弁が宴の場で臨場感あふれるほどに飛び交い、作者である孫内さんの遊び心も十二分に垣間見える大スペクタクル作品は、まさに津軽の風土風習文化の香りが感じられる特大絵巻で、津軽衆なら現物作品を必見ナリ。

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津軽黒石四季彩たより