温湯こけし工人 佐藤佳樹


 父の苦労も、仕事に対する情熱も、どちらも見て育ちましたから、仕事を継ぐにあたって少しは悩みました。
 同じ年頃の兄弟弟子が四人いましたが、しつけはきびしかった。実の子だからという差は全然なかったです。
「名工、名人を夢見るな。あわてずに仕事ができる職人になれ」と言った父の言葉を、いつもかみしめています。
 先日、父のマネをしてこけしの底に足を描いたら、『まだ早い』と人に言われました。改めて父の大きさを思い知りましたね。
 去年から「津軽こけし工人会」の会長になりました。若輩者の私にこの大役が務まっているのは、こけしに対する熱意という点で、工人全員の気持ちが一致しているからでしょう。一人でも多くの人にこけしの良さを知ってもらうことが、私の役目だと思っています。
津軽こけし工人会編 「やさしさの匠」より(平成6年刊行)
青森県 黒石市温湯 温湯こけし 伝統こけし 青森県伝統工芸士 故・佐藤 佳樹 (平成19年1月逝去)

HPに掲載されている故・佐藤善二氏及び故・佐藤佳樹氏の[津軽系こけし」は佐藤家の知的財産により、現在は制作されておりません。
津軽の伝統こけし・温湯こけし


        


津軽黒石四季彩たより